​​今こそ値上げをミカタにする 「値上げに強い商談力」

2022.05.13

# ​​今こそ値上げをミカタにする 「値上げに強い商談力」


目次

  1. 値上げへの抵抗感が強い日本、受け入れられやすい海外
  2. これからもコストは上がり続ける
  3. 値上げ商談力を強くする3つの提案
  4. 値上げを付加価値に変える仕掛けは、C-SO(シーソー)

値上げへの抵抗感が強い日本、受け入れられやすい海外

原材料高によるコスト上昇が続いています。やむなく値上げを発表した商品は、家計を脅かす商品とでも言うような報道のされ方です。しかも値上げを表明した後に待っているのが、流通企業との店頭価格の値上げ交渉。

商品部のバイヤーに値上げ交渉を行い、理解してもらって店頭価格の引き上げに踏み切っていただくまでには、大きな営業パワーを使うはずです。

2022年4月1日の日本経済新聞には「食品値上げ、店頭波及9割」という見出しが出ました。
記事によれば、2019年の値上げでは6割弱だっ たことに比べ、今回の値上げは9割強が店頭価格に反映されたということです。ただし、2022年は14品目のうち12品目、2019年は7品目のうち4品目の店頭価格が上昇したということなので、喜ぶべきことなのかどうか、母数の品目数が少ないためなんとも言いにくいところです。

深井さん原価高騰コラム&セミナー_コラムimage1(リブランドならYRK&)(BtoBブランディング)

値上げの原因は、社会問題と社会問題解決コストの上昇によるものです。だから食品も日用品も、他の品群も、値上げをしないと採算は厳しいはずです。

それでも値上げに踏み切れないのは、流通企業との商談が厳しいからで、流通企業が値上げを渋るのは顧客離れが起きるという心配があるからでしょう。

実際に、4月6日のNHKニュースによれば、海外のほうが流通企業も消費者も値上げを受け入れてくれるため、海外販売の比率を上げている企業があると言います。

これからもコストは上がり続ける

繰り返しますが、現在の値上げ要因は、社会問題と社会問題を解決するコスト上昇が原因です。

たとえば、脱貧困や人権問題による人件費、紛争・戦争によるエネルギーコスト、温暖化による天然資源の減少、異常気象による農産物不作、さらに様々な規制や認証システム ・・・これらはすべてコスト上昇要因です。

こう見ていくとこれから先、劇的に社会が良くならないかぎり、コストが下がることは考えにくい状況です。メーカーによっては、今年値上げをしたところなのに、今年中にもう一度値上げをしないといけない状況だと聞きます。であればなおさら、値上げのたびに構えて商談に臨むということではなく、常に強い商談力をつけておく必要があります。

そこで、商談力を今すぐに増強支援できる、しかも実績ある仕掛けを3つ、ご提案します。

値上げ商談力を強くする3つの提案

①「すぐにかんたんローコストに」流通企業別オーダーメイドキャンペーン

これは、値上げ商談で、業態を問わず、規模を問わず、流通企業が個別にオリジナルキャンペーンを実施するものです。いわゆる流通タイアップキャンペーンです。

キャンペーンのタイトルに、店名のロゴを入れたり、店のキャラクターを入れ、値上げを受け入れてくれる流通企業には、オリジナルキャンペーンを提供することで、来店客への購入の動機づけを図る企画です。通常この手の流通タイアップキャンペーンは、流通ごとにロゴを変えたりと手間がかかる上に、個別にキャンペーンサイトを用意するとなると大きなコストがかかります。

そんなコストがかからないばかりか、誰でもすぐに簡単に、流通企業別のキャンペーンサイトをつくることができる施策があるのです。特に地方では、大手ナショナルチェーンよりも、集客力も売りもつくることができる地域一番店や、店舗数は少ないが、その地域にはなくてはならないチェーンもあります。

この仕掛けの素晴らしさは、キャンペーン企業がいくつ増えてもコストがほとんど変わらないこと。だから、大手だけでなく中小でも地方の企業でも、何社でも個別キャンペーンを提供することができるのです。

どんな仕掛けなのか、それは後ほどご紹介します。

② ファン客に値上げを共感してもらう仕掛け

メーカーの強みは、ブランドや商品にファンが少なからず存在するということです。安いから買うのではなく、好きだから買うという愛用者です。とはいえ、好きな商品であっても理由もわからず値段が上がるというのでは、理解は得られません。

値段が上がる理由をうまく伝えることが大切です。値上げの理由はほとんどの場合、社会問題コストかその解決にかかるコストです。つまり値上げを受け入れ買い続けるということが、その商品といっしょに社会問題に取り組むことだと伝えられれば、理解が共感に変わります。

せっかくキャンペーンページ(サイト)があるわけですから、値上げの要因となる社会問題や解決への取り組みを説明することができます。

さらに理解から共感や応援といった感情を引き出すために、たとえばキャンペーンの期間中に商品を購入いただくと、その売上の一部が関連団体に寄付されるという仕掛けを付加します。それも値上げの要因になった社会問題の関連団体への寄付です。

燃料費の上昇のもとになったエネルギー問題は、「紛争地への支援」「再生エネルギー支援」など。途上国の原材料や人件費の上昇であれば、「その国の子供たちの教育支援」「関連した就労学校の支援」「産地の支援」など。環境問題や温暖化によるコスト上昇であれば、「環境問題に取り組む団体への支援」などです。

これによって、値上げの背景にある社会問題と、それを解決するための取り組みへの理解につながり、商品購入が参加や応援、共感につながるのです。

③ 値上げをミカタにする投稿キャンペーン

愛用しているファンだからこそ持っている情報があります。好きだからこそこだわっているコトがあるはずです。最後のダメ押しは、ファンによる自社商品の使用シーンや食シーン、調理シーンを投稿してもらうキャンペーンです。

事例として、カゴメ㈱がケチャップの購入促進のために展開した「推しナポ」キャンペーンを紹介します。生活者自身が推すナポリタンを、写真とコメントで投稿してもらうという仕掛けです。

https://c-so.net/kagomesp/

このキャンペーンはすでに終了していますが、今でもネット上で見ることができます。

ここに投稿されたナポリタンは数千に及びます。投稿された一人一人のナポリタンの写真とコメントを見ていると、ナポリタンへの並々ならぬ愛情が伝わってきます。インスタグラムやツイッターを使った投稿キャンペーンはありますが、「推しナポ」キャンペーンで投稿された写真やコメントは、すべてカゴメの著作権になっているところが、他の投稿キャンペーンと違うところです。だから、数千のファンから寄せられたナポリタンの写真とコメントは売場でも使えますし、自社オリジナルのナポリタン事典に編集してキャンペーンの景品にすることもできます。

これこそ、ナポリタン好きにはたまらない一冊になるはずです。

C-SOカゴメ_推しナポリタン(リブランドならYRK&)(BtoBブランディング)

ファンから投稿された商品やブランドに対する愛情あふれる写真とコメントは、商品のセールスポイントをファンの目線で熱く語ってくれています。

ファン一人ひとりの情報は、プロのコピーライターや料理人がつくったレシピに比べれば未熟だったり、薄い内容かもしれません。しかし、その商品のファンが語っているという点で、圧倒的な説得力や共感力があります。想像ですが、ナポリタンのように誰もが知っているメニューを、カゴメが提案したところで、もしかしたら流通のバイヤーは「今さらでマンネリだ」「もう飽きたからもっと新しいメニュー提案を」と言うかもしれません。

しかし、生活者やエンドユーザーが熱く語っているとしたら、バイヤーの受け取り方は変わるはずだと思います。「何を言うか」以上に「誰が言うか」が重要だからです。同じことでも、言う人によって説得力も共感力も変わるのです。そのよい例が、食べログやamazonに代表されるユーザーのコメント欄です。

ファンの側からしても、自分の商品への愛着度を投稿することによって、そして同じファンの投稿写真やコメントを見ることによって、メーカーや商品を今まで以上に身近に感じ、ファンとメーカーの一体感が生まれてきます。

深井さん原価高騰コラム&セミナー_コラムimage2(リブランドならYRK&)(BtoBブランディング)

この関係性は、投稿キャンペーンという一過性のものではなく、商品の良さやモノづくりの背景を伝えてくれるナカマに、さらには新しい商品のアイデアを出してもらったり、新商品のモニターをしてもらったりと、商品開発のナカマにできます。自分たちが関わった商品が世に出れば、当然それを友人や知人やSNS上で知らせたくなるはずで、ここまで来ればもうミカタです。

ファンが自社商品のミカタとして、熱く語ってくれていれば、商談において大きな後押しになるはずです。

値上げを付加価値に変える仕掛けは、C-SO(シーソー)

値上げに強い商談力をつけるための3つの仕掛け、いかがでしょうか。

この仕掛け、実はYRK&が提供するC-SO(シーソー)というプラットフォーム1つですべてできることです。

このC-SOを使うことで、手間とコストのかかった流通タイアップキャンペーンがすぐにカンタンにローコストででき、エンドユーザーに伝えたい情報をストーリーとして掲載することができ、さらに投稿キャンペーンで、ファンをミカタにできるのです。

そんな都合の良い仕掛けがあるものかと疑問に思われるかもしれませんが、すでに多くの実績が出ています。その詳細と実績は、今回のセミナーでご紹介したいと思っています。

値上げを付加価値に変えるC-SO(シーソー)。ご期待ください。

C-SO(リブランドならYRK&)(BtoBブランディング)


深井賢一_コンサルタントフォト(リブランドならYRK&)(BtoBブランディング)



株式会社YRK and
CMO / 取締役 兼 TOKYO代表
深井 賢一
Writer

株式会社YRK and
CMO / 取締役 兼 TOKYO代表
深井 賢一

一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会 事務局長。1989年 株式会社 YRK and入社。マーケティングプランナーとして、食品・日用品・医薬品などのマーケティングやプロモーション、流通小売業の業態開発・売場開発に携わる。現在はソーシャルプロダクツの適正な市場普及や、SDGsの本業化・ブランディング・コミュニケーション活用を企業に導入するためコンサルタントとして活躍。

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