2022.04.06
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コロナ禍は数年後の当たり前を日常にしてくれました。リモートワークや在宅勤務が当たり前になり、経営者やリーダークラスの皆様であれば毎日のように次のような悩みを感じておられるのではないでしょうか。
などなど。
「以心伝心」や「阿吽の呼吸」といったものが当たり前のように思われていましたが、リモートワークの環境下ではなかなかうまくいかないということが浮き彫りになりました。
このような環境下において本コラムでは、対人関係など日常のどこにでもある体験から考える、「真のブランディングとは?」について、考察したいと思います。
我々がコンサルティングをさせていただいているクライアントのマネジメント層とお話をすると、共通する悩みとして、「部下とのコミュニケーション」や「組織マネジメント」に関する課題を耳にします。
マネジメント層なので、当然といえば当然なのですが、これまで「Face To Face」のコミュニケーションを前提としてチームを構築していたリーダーの中には、リモートワーク環境下でチームがうまく機能していない、あるいは新たなプロジェクトがスタートした状況下でチームビルディングをどうしていけばいいのか分からない、ということに頭を悩ませていると思います。一見効率的になると期待されたリモートワークも、ここに来てマネジメント層の新たな悩みの種になってきているように感じます。
私が管理職になりたての頃、尊敬する上司から毎日のように言われていたことは「マネジメントは美点凝視」ということでした。「美点凝視」とは、「相手の長所や徳性を意識的に注視すること」を意味します。部下育成などのマネジメント理論にも出てくる言葉です。
私はこの言葉に「真に相手を思いやる心」を感じます。相手の長所や徳性を凝視するには強い関心を相手に持たなければなりません。当然、そもそも相手に負の感情を持っていてはいけないということ。“親ばか”という言葉がありますが、これは究極の「美点凝視」だと言えます。
私自身も部下を持つ立場として共感できることが多々あります。これを事業に置き換えると、リブランディングを行う際のチームビルディングの時こそ、「美点凝視」の精神をリマインドする必要があります。
生産性や効率をどこまで求めていけば良いのだろうかと、考えることがあります。先日ある記事を目にしました。
「働きアリ」の群れの2割は働かないとの研究から、どんな組織にも仕事をしない人がいるとの通説がある。だが、そこで話は終わりません。実は働かない「働きアリ」は水害などで巣を移す非常時に、率先して群れに貢献するのだといいます。“組織の中の遊び”は、長い時間軸で見ると重要なのかも知れないと考えさせられます。もちろん、アリの組織と人が働く組織は当然違いますが、自然の摂理や生命から学ぶこともたくさんあります。
人は、粗探しが得意です。それは他人に対してだけでなく自分に対しても。
自分の長所と短所を書き出してくださいと言うと短所の数の方が多くなりがち。特に日本人は「欠点凝視」の傾向が強いです。自分の“良さ”でさえ見つけるのが難しいのだから他人の“良さ”を見つけるのはもっと難しい。そのために身につけたいのが「美点凝視」。 短所や欠点に目を向けるのではなく長所や徳性に意識的に目を向けること。
「また失敗した!ではなく成功に近づいた」
「仕事が遅い!ではなく堅実派、慎重派」
物事はどちらから見るかによって欠点にも美点にもなるものです。
これら、偉人達の言葉も「美点凝視」を表す言葉の一つです。
今回の「危機」を「機会」と捉え、新たなリーダーシップを発揮し、チームに還元することで、より良い組織にアップデートされていく。その結果として商品やサービスが磨かれ顧客への価値提供が最大化していく。そんなプロジェクトだけが明るい未来をつかみ取れると思うのです。
そして、タイトルにも書いたように、「強いブランドや愛されるブランド」を構築するためには、「美点凝視」がとても重要になります。まずは自分達のブランドを自分たち自身でしっかり知り、深掘りし、価値を見出し、ビジョンを明確にし、そして愛することができれば、愛してほしい人から愛してもらえるブランドを創ることができるのです。
最後に、「美点凝視」のスタートは明るく気持ちのいい挨拶から!
挨拶にスランプはありません。早速今から試してみませんか?