プロジェクト成功の鍵は「目標設定」にある!

2021.06.01

# プロジェクト成功の鍵は「目標設定」にある!

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そのプロジェクトはなぜ失敗をするのか?

昨年から、多くの企業で新事業開発や業務改革に関する多数のプロジェクトが立ち上がっていると伺います。その一方で、プロジェクトがうまく進まずに困っているというご相談を受けることも増えました。

私はコンサルタントとしてこれまで多くのプロジェクトに関わってきましたが、うまくいかないプロジェクトにはそれぞれきちんとした理由があります。その中でも比較的目立つのがプロジェクトの目標設定ができていない、または目標が機能していないケースです

プロジェクトがうまく進まない

例えば、「顧客へダイレクトに販売できるオンライン販売チャネルを立ち上げる」「マーケティングとセールスを統合化し新たな営業スキームを構築する」というようなプロジェクトの場合、『プロジェクトの目的:何のためにやるか』はきちんと定まっていることが多いように思います。

しかし、『プロジェクトの目標:いつまでに、どこまで達成するか』については、具体的な数値を伴っておらず、非常に曖昧なままプロジェクトが進んでいるケースや、運用フェーズに入ってから目標が形骸化してしまいプロジェクトが迷走しているケースなどが多く見受けられます。

プロジェクトの目的だけでなくプロジェクトの目標も設定する

「目標」とは、言い換えればプロジェクトが目指す「ゴール」です。普通に考えれば、ゴールがないままにプロジェクトを立ち上げ、進めていくのは非常に無謀です。しかし、実際には具体的な目標を設定していなかったり、目標を設定していても全く機能していないプロジェクトが存在するのはなぜなのでしょうか?

様々なプロジェクトに参加するうちに、そこにはいくつかの理由があることに気づきました。

目標がない/目標が機能しない3つのケース

目標がない/目標が機能しない3つのケース

①もともと目標が不明確なケース

プロジェクト発案者と推進者(担当者)が違う場合によくあるケースです。

経営層がアイデア(プロジェクト)を発案し、「〇〇をやってほしい」とトップダウンで指示をする際に、なぜやるか、何をやるかは明確になっているが、いつまでに・どこを目指すかを明確にしていないことがあります。

そうした場合、指示を受けたプロジェクト推進者がまずやるべきことは、立ち上げ前の段階で発案者にきちんと目標の確認をすること。ただし、発案者がそこまで考えておらず、確認しても具体的な目標が出てこない場合は、推進者が一度自分で設定をしてみて発案者とすり合わせましょう。

発案者と推進者の共通認識

推進者がそのプロセスを飛ばし、指示内容を形にすることを優先してしまう(ゴールなしで走り出してしまう)ケースがよく見受けられます。

②プロジェクト進行中に目標を見失うケース

DX関連のプロジェクトの場合、サービスやシステムの制作や開発、導入が済んだ後、運用フェーズでデータを取得・分析しながら目標(KGI/KPI)の達成を目指していきます。

しかし、制作や開発フェーズでは往々にしてスケジュールに追われることが多く、次第に「サイトを立ち上げる、システムを開発する、ツールを導入する」など、期日までになんとか形にすること自体に意識がいってしまうことになりがちです。

そうなると「後々必要なデータが取れるようになっていない」「目指す成果指標が設定されていない」といった事態に陥り、運用フェーズに入ってから躓くケースが増えます。いつの間にか、どこに向かって走っているのか?正しく走れているのか?が分からないという状態に陥り、プロジェクトの成果が今イチ掴めないまま迷走し始めます。

プロジェクト責任者やPMOは、後々の運用フェーズのことを常に意識しながら立ち上げフェーズをコントロールしなければなりません。

サービスやシステムの開発とデータ分析

③目標数値に無理があるケース

設定された目標が異常に高く、数字が機能せずに形骸化してしまっているケースです。

・経営層が決めた目標数値なので変更しづらい

・思いや気持ちを込めすぎて客観性を欠いている

・知見のない領域なので妥当な数値がわからない

当然のことですが、目標設定は単純に数字を置けばいいというものではありません。達成を前提とした目標には設定の仕方があり、有名なものでは「SMART」という基準があります。Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Related(関連性)、Time-bound(時間設定)という5つの要素の頭文字をとっており、これらを全て含んだ目標が、メンバーのモチベーションやプロジェクトの成功確度をぐっと引き上げてくれます。

SMART

あらためて繰り返しますが、「目標」とはプロジェクトの「ゴール」です。

しかし、これまでご紹介したような様々な理由で、ゴールが不明確なまま進んでいたり、途中で見失い迷走しているプロジェクトが多数存在しています。

逆に、目標設定がうまくされていたり、プロジェクトの進捗に合わせて適切に調整されているプロジェクトは成果を上げやすいと言えます。

現在組んでいるプロジェクトの目標が正しく設定されているかを、今一度確認してみることをお勧めします。

プロジェクトのゴール

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株式会社 YRK and
CDO 兼 DXコンサルティング事業統括
橋本 航太
Writer

株式会社 YRK and
CDO 兼 DXコンサルティング事業統括
橋本 航太

2003年株式会社 YRK and 入社。
営業・マーケティングプランニング職を経て、多数の業種のマーケティング支援を担当。
2012 年から、愛用者を起点としたマーケティングメソッド「TMOT(Third Moment of Truth)」をコンセプトとした新事業部門のカンパニー代表を務め、自社ASPサービス(C-SO/MiiNA)の開発、マーケティング、セールスの統括責任者として従事。
現在、YRK andのCDO(Chief Digital Officer)及び、DXコンサルティング事業責任者として、クライアント事業の活性化/再構築を目的としたDXプロジェクトに多数参画。

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