2021.04.09
新型コロナウイルスの急拡大による経済の壊滅から、はや1年が経ちました。誰も予想しえなかった衝撃に、様々な業界でビシネスモデルが崩壊し、柔軟性の高い収益構造への転換と成熟したマーケットへの対策が急務となりました。当社のお客様からも、「どうにもできないけど、どうにかしたい」という悲痛な叫びが聞こえてきました。
まだまだ新型コロナウイルスの影響が続く中ですが、今、多くの企業が求めているのは、「次世代のイノベーションやブレイクスルーを起こす非連続的なアイデア」ではないでしょうか。現状から抜け出すため、社内の叡智を結集しCXやDX推進、D2C立ち上げ、組織改革といった部門横断型のプロジェクトが推進されています。
しかし、実際に非連続的なアイデアが創出できているプロジェクトは、多くありません。ブレイクスルーが起きない最大の理由は、「社内メンバーがこれまでの経験や成功体験、思考のクセに縛られている」ということにあります。仮に、「ゼロから考えてみよう」ということで始まったプロジェクトでも、結局どこかで認知バイアスがかかり、これまでの延長線上に落ち着いてしまいます。さらに、リモートワークの推進によってチーム間連携の難易度も上昇しています。腹を割った本音の議論やフレキシブルな情報共有が少なくなっていることもブレイクスルーが起こらない理由の一つです。
では、どうすれば非連続的なアイデアを創出できるのでしょうか。答えは、「徹底した客観視点の導入」にあると考えます。
これまでの成功体験や暗黙のルールに縛られず、事実を冷静かつ客観的に捉え、企業のもつバリューを見直す人物が鍵なのではないでしょうか。先ほどもありました通り、社内のスタッフばかりでは、何かしらのバイアスがかかってしまいます。ブレイクスルーを起こすためには、外部スタッフを交えた“共創型プロジェクトデザイン”が重要です。
外部スタッフ参画の話になると、よくこのように問われます。
「外部の人間は、業界について何も知らないから意味ないでしょう?」
確かに、当社をはじめ外部スタッフは、お客様の業界構造や積み重ねてこられた事情、置かれている環境などへの情報が薄く、いわば素人の状態です。ただ、言い換えると、生活者と同じドライな目線から客観的に現在の事情を捉えているとも言えるのはないでしょうか。
近年、業界に風穴をあけたサービスは、いずれも既存の業界ルールを取っ払い、生活者が一番求めている形でサービスを提供したものばかりです。例えば都心ではすっかり定着した「Uber」や オンライン個人商取引「メルカリ」など、既存プレイヤーを一気に抜き去ったブランドは、これまでの業界ルールに驚くほど縛られておらず、徹底した生活者起点のアイデアでブランドポジションを確立しました。
生活者は、我々が思うよりもドライでクールにブランドを見ており、瞬時にブランドの良し悪しを判断してきます。そんな中でも本当に求められる物やサービスを提供するためには、我々のような外部スタッフが無経験だからこそ、プロジェクトの過程において本当の価値を提供できると信じています。
近年、注目を集める「PMO」というポジションをご存知でしょうか。
「PMO」とは、“Project Management Office”の略称で、一般的な役割は、複数の部門や企業を横断して行われるプロジェクトにおいて、プロジェクト責任者の意思決定を支援することにあります。具体的な業務内容としては、QCDの設計/管理(プロジェクト目的定義、タスク管理、コスト管理など)や、プロジェクト責任者が手の回らない細やかな立ち回り(参加メンバー間のマインドセット、社内報告資料作成など)、さらには、会議のファシリテーションや協力会社へのオリエンテーションまで行う場合もあります。「PMO」は、プロジェクトマネジメントのスペシャリストとして外部から参画する場合が多いですが、ただ、プロジェクトを管理するだけでは意味がありません。
YRK&が「PMO」として参画する際に、特に大切にしていることは、「ビジョン思考型チームビルディング」と「アイデアのイノベーション」です。
チームビルディングでは異なる部門のメンバー同士を融合させ、KPI型のタスク思考からOKR型のビジョナリー思考へと導きます。理想のあるべき姿からバックキャスティングで物事を捉え、既存のルールに縛られない思考へマインドセットしていきます。そのため、プロジェクトキックオフ時には、メンバーの熱量や本気度を高める仕掛けとして、夢(理想の状態)を語る時間などを設けたりする場合もあります。
そして、最も重要なのがアイデアのイノベーション創出の仕掛け作り。特に、戦略構築のフェーズでは、ワークショップなどの拡散思考の場を使いながら、無経験だからこそ分かる切り口や意見、視点の導入を行ったり、異業種事例からヒントを導入したりと、非連続な成長につなげるツボを刺激していきます。
私自身も、「PMO」としていくつものプロジェクトに参画しておりますが、クライアント様からは「そういった視点があったのですね」「視野が狭くなってました」というお声を数多く頂戴します。プロジェクト開始時は、外部PMOの参画に懐疑的だった方々も回を重ねるごとに、イノベーションを起こすPMOの意味や価値を感じていただけるようになっていきます。人は、自分が知っていることからしかアイデアを出すことができません。非連続的なアイデアでイノベーションを起こしたいならば、視野や領域を広げていくしかありません。この状態にメスを入れるのが、「社外PMO」というソリューションなのです。
YRK&の「PMO」は、お客様からオリエンテーションがあった課題に直線的に向き合うのではなく、もっと根深い本質的な問題(プロダクトの問題、チャネルのミスマッチ、営業力、経営戦略の不一致など)を顕在化させ、ワークショップなどでメンバーの腹落ちを作りながら課題解決を図ります。従来のマーケティング会社や広告会社は、どうしても自社の得意領域のみで課題解決を模索しますが、YRK&のPMOは、一つの視点に固執せずあくまで客観的視点から問題解決の糸口を創出していきます。
また、本記事で、当社のイノベーション型PMOにご興味持たれましたら、創業127年目を迎えるYRK&までお気軽にお問い合わせください。皆さまのプロジェクト成功を全力で支えて参ります。