TRADITION
繊維の街・大阪船場の地で、引札・漆看板といった当時の商いを差別化するための仕事から始まり、
印刷、デザイン、企画、マーケティングと激動の時代変化に対応し続けてきました。
その約120年間伝え続けられている伝統の一部をご紹介いたします。
YRK&(旧ヤラカス舘)がまず手掛けたのは印刷業。中でも「引札」に力を注ぎました。引札は当時の宣伝印刷物の中心で、現代のチラシやビラのこと。商売人以上に、商品の値打ちを見る人に伝えるものでなくてはなりませんでした。
YRK&(旧ヤラカス舘)が得意とした商品の一つ。漆塗りの黒地に金の蒔絵を施した漆看板は、その店の品質を証明する、格調高いものでした。今でいうブランディングの手段として用いられていたのです。
大正時代、“繊維の都”大阪では、レッテル(ロゴマーク)など繊維製品付帯物の仕事が溢れ、YRK&(旧ヤラカス舘)も繁忙を極めました。主力商品でもあったレッテルは、繊維商品の顔であり、模造を許さない実印でもありました。
第二次世界大戦前、資材統制を受け競争が激化した国内市場から、海外へ目を向けたYRK&(旧ヤラカス舘)。社長自ら大陸へ渡り、中国に進出していた日本企業から多数の注文を受け、中国人絵描きを起用したポスターを制作しました。
YRK&(旧ヤラカス舘)が出版を手掛けた3年間があります。戦後、紙の価格が高騰し、白紙の横流しがもっとも利益を生む時代。そんな娯楽のない時代だからこそ、大衆向けの読物雑誌に価値があると考え、出版事業を興しました。
PCのない時代、企画書からイベントのマニュアルに至るまで、すべて手描きで制作していました。高い技術をもって作られたそれらは、今見ても味があり温かみが感じられます。「伝える力」がここにも息づいています。
1945年9月2日、終戦後すぐYRK&(旧ヤラカス舘)は再発足、新しいスタートを切りました。後年、復興の日を「垂統の日」と定め、新年度の方針発表を行っています。垂統とは、孟子の言葉で「良い伝統・事業を子孫に伝えること」。
1956年から続く冬の風物詩。社員と社員を支えてきた家族を労い、一家団欒で味わってほしいという想いで、すきやきを感謝(賞与)の日に配ります。2022年より、松阪牛ブランドで有名な(株)ライトハウス様にご用意いただいています。
YRK&(旧ヤラカス舘)は2016年で120周年を迎えました。「伝える力」を武器に、常に挑戦を続けながらクライアントのビジネスに貢献してきた会社です。120年超のベンチャー企業として、これからも進化を続けてまいります。
永きに渡り活躍する社員に対して、1月の創業記念式典において表彰を行っています。10年・20年勤続には旅行券と特別休暇、30年勤続には記念品が贈られます。