Functional Branding
ベビー用品の複数既存ブランドを横断させ、全体最適を図る
機能ブランディング事例
ベビー用品メーカー 様
2016年の厚生労働省の発表によると年間出生率が100万人を下回り少子化が進む中、クライアント様を取り巻く状況としては、今までの競合だけでなく、ベビー用中小物用品メーカーも領域を広げ、ベビーカー・チャイルドシートなどのマーケットに参入するなど、競争がより激化していた。
クライアント様自身はそういった背景もあり、何かを変えないといけないとは考えておられ、パートナーを探されていました。
当初の弊社との関係は、新商品デビューに合わせ個別商品のコミュニケーションの最適化を提案・実施させていただく取り組みをさせていただいていました。
そんな中、パートナーとしてプロジェクトを進めるきっかけとなったのが、各商品に付加されている機能をユーザーに浸透・認知させたいというご要望に対し、単機能としてではなく商品を横断し、メーカーのブランド価値になるような機能のリブランディングをご提案したことです。このリブランディングを実施させていただき、高い評価をいただきました。
そのことがきっかけとなり、未来を見据えた年間のコミュニケーションプロジェクトがスタートしました。
1次展開までの期間:6months
部分最適ではなくブランドを横断し全体最適化をすることによってブランド活性化した成功事例を複数ご紹介。コミュニケーションの手法・考え方から展開方法まで共有し、クライアント様内で検討いただくヒントときっかけをご提供。
弊社内では、クライアント様での全体最適化を行う際、どのようなことができるのかを考え、クライアント様側では、事例紹介させていただいた内容をもとに実現できていること、できていないこと、やらなければいけないことなどをご検討。数回のお打合せを行い方針の共有いただく。
共有いただいた方針を踏まえ、どのようなテーマでどのようにプロジェクトを遂行し、目的達成まで進行していくかを、4つのフェーズに分けたプロジェクトで提案。
①チームビルディングとプロセスの明確化
②ペルソナ設計と商品カテゴリブランド整理
③コミュニケーション施策
④実制作・実施
プロジェクトを細分化し、各ヘッドワーク責任者を配置。具体的な施策においては、パートナー企業も含め、周到なチームビルディングを行う。
弊社内だけではなくクライアント様側にも、商品ごとの担当者や各グループ企業様への承認方法の明確化など、進行をスムーズにするためのプロセス策定いただく。
事前にクライアント様側で取得されていたアンケートなどをもとに仮のペルソナ像を作成。同時に実地調査・ヒアリングを行い、ペルソナを超具体化。
「ペルソナ基準」を策定し、全商品を、機能面・価格面、そして今後増えるであろう新商品や進むべき方向性などから再カテゴライズ化。2~3パターンをご提示したうえで、ワークショップを行い最適性を議論・決定。
ブランドステイトメントを守りながら、企業の「らしさ」をワードボードとして『言葉』として定義。そこから出てくる企業のあるべき姿を存在価値として再定義。
あらたな存在価値をコミュニケーションの軸として全体設計・提案。
ペルソナの行動分析や情報接触方法をベースに、スマホネイティブな点を考慮し、いままでの予算配分を見直す形で、広告手法から提案。
各商品単体で起こっていた撮影・制作・時間の無駄を解消し、短期間での展開を実施。
次期展開に向けての効果測定を行い、チューニングを実施。より効率的に、また積み残した部分に関しては、クライアント様とともに課題点を共有し、新たな施策のご提案へとつながっています。
問題解決ポイント
ペルソナ基準を構築したことにより、商品カテゴリブランド整理の際、新たなカテゴリを創出。世の中の変動に合わせたブランド付加価値の構築を実施。制作フェーズにおいても判断基準が明確になり、クオリティーの向上にも貢献。
あいまいになりがちな企業が与えているイメージや印象・すでにある企業価値をワードボード化し、これから与えたい印象と合わせて1つの文章として共通化することにより、コミュニケーション軸として何を伝えるべきかということを中心に考え、流行や手法に流されない施策を提案。
購入者やWebサイトの閲覧者に対してWebアンケートを実施。今まで数値に表れにくかったブランドに対しての「共感」「先進性」「おしゃれ」といった評価が向上。売り上げもそれに伴う形でアップし貢献。
未来を見据え商品をカテゴライズ・整理したことによって、新商品のコンセプトや方向性が明確になり、新商品開発に携わる部門間でのコミュニケーションがスムーズに。
ペルソナに合わせたコミュニケーション戦略の中で、スマートフォンでのコミュニケーションに重きを置き、数値的にもアクセス数・回遊率がアップ。
部分最適化から全体最適化することで、前年度で重複していたコストを削減し、予算のプロデュースをさせていただくことで、新たな取り組みにもチャレンジすることができた。
アカウントエクゼクティブ
飯田 好美
クリエイティブコンサルティング事業部
シニア・クリエイティブディレクター
戸田 成人
東阪事業戦略室
企業価値の再定義・カテゴリ整理を行うことでブランドの土台ができ、新商品プロモーションにおいてインパクトのあるコミュニケーションを打てるようになりました。また、製品開発や新サービスの構築など、ペルソナ基準をベースにしたコミュニケーション戦略・企画にともに取り組ませていただいております。