経営と現場のギャップをなくす、強い組織の作り方とは?

2025.02.17

経営課題は現場で起きている経営と現場のギャップをなくす正攻法

経営課題は現場で起きている経営と現場のギャップをなくす正攻法


2025年1月30日に大阪で開催した、人材戦略とブランディングの成長について議論を深めたYRK&主催のビジネスイベント「Brand Growth Meeting」。

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チャプター1では、「経営と現場の乖離(ギャップ)をどう埋める?」〜建前を超えた“ホンネの話”〜というテーマで、株式会社関西エリア優良企業ベスト100 代表取締役の三好 友昭氏、株式会社Modelist 代表取締役CEOの呉縞 慶一氏をゲストに迎え、モデレーターとして株式会社ALL BLUESの代表取締役である横山 綾子氏に進行いただき「経営と現場のギャップ」という観点で深掘りしました。本記事ではそのエッセンスをお届けします。

経営層と現場の間には
なぜギャップが生まれるのか

経営課題は、“現場”で起きている。

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経営層の“現場知らず”が
社員からの信頼を失い
ギャップが生まれる

現場を理解できていない状態で経営層が経営理念や評価制度を変更しようとしても、現場が納得できる方法が考えられないという状態に陥ってしまいます。
経営層は、現場に出て社員の本音や実態を理解する、もしくは、現場の状況を常に把握できるような仕組みを構築するなど、現場が納得する実績を示さなければ信頼は得られません。

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経営層と現場とでは
思考も視座も違う

経営層は「会社全体がよくなる」「社員全員が方針に沿って目標達成して欲しい」と常に「全体最適」で考えていますが、現場社員は情報の量や質が経営層とは異なりますし、普段から自分やチームの目標達成のために行動しているため「部分最適」で考えてしまいがちです。二者は、同じ思考プロセスを持っていません。
このことを理解した上でコミュニケーションを取らなければ、この時点で乖離が生まれます。

経営層と現場のギャップをぶち壊す正攻法

意識の醸成と越境人材の育成が
組織を強くする

社員の意識醸成
「株式会社じぶん」
という考え方

社員一人ひとりが、ビジョン・ミッション・バリューについて考える視点を持てるようになるためには、まずは自分の強みや競争優位性を言語化することが重要です。
経営層は常に競合企業や市場について考え続けています。
そういった視点や思考プロセスを社員一人ひとりが持てるような育成をしてあげることが、経営層と現場の乖離をなくしていくためには重要となります。

組織全体の連携体制に必要な
「バウンダリースパナー人材」の
育成が不可欠。

バウンダリースパナー(越境)人材とは、部門や組織の枠組みを超えて情報や人脈を繋ぐ役割を持つ人材のことを指します。この人材が組織にいるとイノベーションの創出や組織活性化に貢献します。
経営層と社員の乖離をなくし、組織全体を連携させるためには、バウンダリースパナー人材の育成が重要といえるでしょう。私がSalesforceで働いていた頃には、オープンな情報共有環境が整備されており、個々の社員が他部署と連携しやすい文化がありました。
経営層は、バウンダリースパナー人材が育つ環境や仕組みづくりをする必要があります。
次第に人材が育ってくると、部門間の情報共有が進み、経営方針が現場まで浸透しやすくなります。

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経営理念を浸透させ、
理念を体現させる
「自律型組織」をつくるには

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エンゲージメントは
企業ビジョンと
社員の個人目標が
一致した時に高まる。

経営理念の実現には、トップダウンが重要です。しかし、現場社員が経営層を信頼できないとギャップが生まれてしまう原因になります。 経営者が自分の人生観や仕事観を示し、それに照らして社員が自身のライフプランと会社の方向性を一致させることで、初めて理念に納得感が生まれるのです。

また「PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・自己資産」を社員に開示し、透明性を確保することも重要だと考えます。

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企業の人事は
「理念の番人」
であるべき。

人事というのは、「理念の番人」なんです。
経営者が掲げるミッション・ビジョン・バリューを実現させるために、人材育成設計・評価制度・採用戦略は存在します。
常に経営が掲げるミッション・ビジョン・バリューと戦略との一貫性を保っておくことが、人事の重要な役割です。

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経営と現場で具体的に
実践できる対策とは?

対策1:経営が現場を知る仕組みか
組織体制を確立する

経営陣が自ら現場に目を向けて足を運ぶような機会をつくる。経営と現場の架け橋となる仕組みとして、エンゲージメント調査や現場のご意見箱をつくる。

対策2:社員に経営者意識を持たせる研修や対話の機会を増やす

「株式会社じぶん」という考え方で、社員一人ひとりが自らの強みや価値を理解し、経営視点を持てるようにするためのワークショップや1on1ミーティングを導入する。

対策3:バウンダリースパナー人材の育成と部門横断の仕組みづくり

部門間の情報共有を促進するために、社内SNSやプロジェクト型のチーム編成を導入し、部門を超えた連携を当たり前の文化にする。

対策4:経営理念を日常の業務で活用できる仕組みを整える

ミッション・ビジョン・バリューを社内の評価制度や意思決定プロセスに組み込み、社員が実践しやすい形で浸透させる。

このような取り組みを通じて、経営層と現場の対話を生み出し、組織全体が一体となる環境をつくることを目指しましょう。
組織における経営層と現場のギャップを埋めるための第一歩は、経営層が率先して現場と向き合い、現場が主体的に経営に関わる風土を築くことにあるといえるでしょう。

「人材戦略」
「企業文化の醸成」の
ヒントを
インストール
できた一日。

本イベントを通して、参加者たちは人材戦略・企業文化の醸成になくてはならないヒントをインストールできたはずです。大阪・関西万博が開催される今年、関西をより一層盛り上げていくためのきっかけとなるイベントとなりました。

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Speaker

関西エリア優良企業ベスト100株式会社
代表取締役

三好 友昭

新卒で人材関連事業のベンチャー企業に就職、200人規模の企業の経営幹部として関連会社のマネジメント業務に従事。その後、税理士法人にて、コンサルティング部門立ち上げの責任者を歴任。常時60社以上の顧問先の経営支援を通して、企業の業績向上に貢献してきた実績多数。現在は、ビジネス経験で培ったノウハウを融合し「実行管理コンサルティング®」を開発。これまで数々の企業の業績向上の実績を持つ。

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Speaker

株式会社 Modelist
代表取締役CEO

呉縞 慶一

大学卒業後、NECソリューションイノベータ株式会社で新規事業の立ち上げ、システム開発を経験。2018年に株式会社セールスフォース・ジャパンへ入社し、プリセールスエンジニアとしてJapanリージョンにおける販売成績No.1、Salesforce社内でのナレッジシェア反響数GlobalNo.1となり、CEO Awardに選出される。2021年に㈱リゾルバにCOOとしてジョイン。Salesforce社とSalesforceパートナ-企業を中心にSalesforceビジネス顧問、人材育成支援を行う。2023年日本最大級の営業の大会「S1グランプリ」にて「テクノロジーセールス」をテーマに掲げ、優勝。2024年2月、株式会社Modelistを創業、デジタルツールを活用した組織変革、営業DXの領域におけるEnablementサービスとコンサルティングを行う。

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Moderator

株式会社ALL BLUES
代表取締役

横山 綾子

新卒で小林製薬㈱へ入社後、㈱サイバーエージェントへ転職、その後㈱イルグルムへとキャリアを移し、㈱PLAN-Bに中途入社。入社後Webコンサルティング業務に従事し、9カ月で部長に昇格。新規事業も経験し、単月売上1億の規模まで拡大。事業部長兼営業部長から、執行役員に就任。2018年から人事領域の責任者として新卒・中途採用や、評価・育成設計も担当。2020年人材事業を行う、グループ企業の株式会社スペシャルサンクスを設立。2025年に株式会社ALL BLUESを設立し代表取締役に就任。

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