ブランディング・マーケティング戦略を成功させるために必要な11の手法・考え方

2024.09.17

リブランディング専門会社が解説_事業変革に必要な11の思考法とは?



「これからも今のビジネスでやっていけるのか?」

「従来のマーケティング戦略・ブランド戦略で事業は成長できるのか?」

このような悩みを抱える経営者・ビジネスパーソンは少なくありません。事業を成長させるためには、単に現状維持を続けるだけでは当然不十分です。市場環境の変化に適応し、新しいビジネスモデルを構築することが求められます。

特に、4Pに立脚した広義なマーケティング戦略や、社会的な存在意義や差別優位性といった独自価値を高めるためのブランディングを成功させるためには、従来の戦略や施策を刷新し、柔軟な発想で事業を転換することが不可欠です。

本記事では、世の中で成功しているビジネスモデルを例に挙げ、ブランディング・マーケティング戦略を成功させるために必要な「11個の手法・思考法」として解説いたします。

Index

1. 時間の概念を変える

多くの企業は、従来の「時間」の枠組みの中でビジネスを展開していますが、この固定観念を打ち破ることが、新たなビジネスモデルを生むきっかけになります。例えば、"10分の身だしなみ"でおなじみのヘアカット「QBハウス」や、緊急の水回り修理サービス「クラシアン」のように、素早い対応が求められるニーズに応えることで、顧客の満足度を高め、他社との差別化を図ることが可能です。時間という要素は、顧客にとって大きな価値を持つことを忘れてはなりません。

2.固定していたものを移動させる

従来のビジネスモデルでは、顧客が店舗を訪れるのを待つことが一般的ですが、この発想を逆転させ、企業が顧客の元に出向くことで、新しい収益機会を創出できます。例えば、学習塾の家庭教師派遣や、コーヒーのオフィス提供サービス「ネスカフェアンバサダー」など、顧客の利便性を高めることが可能です。この「移動」の概念を取り入れることで、ビジネスの成長を促進します。

3. 特長を絞り込む

すべての顧客層にサービスを提供しようとすると、どれも中途半端になりがちです。そこで、特定の顧客層や商圏、商品に一点集中することで、「その分野の専門家」として顧客に認識されることが大切です。たとえば、糖尿病患者向けのレストランや、特定の食材にこだわった食品宅配サービス「Oisix」のように、顧客の特定のニーズに応えることで、信頼感と満足度を高めることができます。2024年8月にOPENしたJR西日本が手掛ける「バルチカ03」は、梅田で働くおっさんをターゲットとした飲食店街として大ヒットしています。

4. 異なる商品を組み合わせる

異なる業界の商品やサービスを組み合わせることで、顧客に新しい価値を提供できます。たとえば、列車の旅に高級な食事や宿泊を組み合わせたJR九州が展開するクルーズトレイン「ななつ星in九州」のように、他にはないユニークな体験を提供することで、顧客の注目を集めることができます。また2024年9月には、無印良品を展開する良品計画が既存の宿泊施設の客室をプロデュースする新事業「MUJI room」を展開しています。空室が埋まらない課題を抱える地方の旅館・ホテルなどに対し、収益化のための解決策として新たな価値を生み出し多くのメディアに取り上げられています。

5. 既存商品に新たなサービスを追加する

単なる商品提供にとどまらず、そこに付加価値として別サービスを加えることで、新しいビジネスモデルが生まれます。たとえば、BMWやレクサスといった車メーカーや、保険会社の付帯サービスにある、車のテレマティクスサービスや、ベビー用品メーカーが展開する妊婦向けのプレママレッスンのように、商品購入後のアフターサービスを充実させることが、顧客の長期的なロイヤリティを引き出す要因になります。特に中小企業は、柔軟な対応が可能なため、大企業にはできないサービスを提供することで、競争力を高めることができます。

6. 異業種と連携する

異なる業界の企業と協力することで、商品の魅力をさらに高めることができます。たとえば、Appleとゴールドマンサックスの「Apple Card」や、YahooとZOZOの連携のように、異業種の知見を取り入れることで、新たな価値を創出し、販売チャネルを広げることができます。異業種のネットワークを活用することで、自社のリソースを超えたビジネス展開が可能になります。

7. 価値観のズレを活用する

消費者の価値観の違いは、ビジネスの重要な成長要素です。特に、外国人観光客と日本の消費者の価値観のズレを利用することで、インバウンド市場へのアプローチが可能になります。たとえば、「Airbnb」のように、空き家を活用したビジネスモデルは、日本の住宅事情を逆手に取った成功事例です。このようなズレを意識し、適切に活用することで、新しいビジネスのチャンスが見えてきます。

8. 情報を集めて流す

情報の流通は、それ自体がビジネスの源泉となります。たとえば、リクルートの「ゼクシィ」や「スーモ」のように、結婚式場や不動産情報を集めて提供するだけで、大きな価値を創出しています。情報を「あるところ」から「ないところ」に流すというシンプルな発想が、ビジネスの成功に繋がります。

9. 商品の切り口を変える

売れない商品を無理に売ろうとするのではなく、その切り口を変えるだけで、驚くほどの効果が得られることがあります。メガネ店大手のメガネスーパーが展開する「アイケアリラクゼーション」サービスは業績をV字回復させただけでなく、メガネ販売というビジネスモデルから「眼の健康」を売るアイケアカンパニーへのリブランディングをも成功させた事例の一つです。同じ商品でも、異なるアプローチで再定義することで、新たな顧客層を取り込むことができます。

10. 用途や使用方法を変える

商品の用途や使用方法を変更するだけで、まったく新しい市場を開拓することができます。有名な事例としては、業界大手の「寺田倉庫」が挙げられます。高級ワインや美術品・コレクションの保管を強化するなど、物質としての「モノ」を預かるだけでなく、そのモノの「価値」を預かる事業への転換に成功し、倉庫の利用用途を大きくシフトさせました。また、乳酸菌を使った飲料がスポーツ飲料に転換された例のように、商品の可能性を広げることで、ビジネスの成長が期待できます。商品を柔軟に捉え、用途を再考することで、新たな顧客層への訴求が可能になります。

11. 異なる業種に置き換える

最後に、異なる業種に自社のビジネスを置き換える発想も効果的です。Uberの配車サービスが料理宅配「Uber Eats」に応用されたように、自社のサービスやビジネスモデルを他業種に適用することで、意外な成功を収めることがあります。また、プロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールド HOKKAIDO」は、「世界がまだ見ぬボールパーク」というコンセプトで野球の試合を観戦するためだけの施設ではなく、“共同創造空間”として様々な文化交流が可能なライブエンターテイメント空間としたコミュニティスペースを立ち上げています。このように、固定観念にとらわれず、自由な発想でビジネスを展開することが、ブランドの成長を促進する鍵となります。

これらの11の発想法は、従来のビジネスモデルに新しい視点を加え、ブランドを成長させるための重要なステップです。市場の変化に迅速に対応し、顧客のニーズを先取りすることで、持続的な成長を実現することができます。

Writer
ReBRANDING magazine 編集部

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